企業がブラック化する理由。ブラック企業の数は減っている?

あなたがお勤めの会社がブラックかどうか、中にいると意外と分からないもの。もし今あなたが仕事での長時間勤務や低賃金が常態化しているのであれば、ちょっと冷静に自分の会社を見つめなおしてみたほうが良いかもしれません。

働いている会社がブラック企業なのに、仕事を辞めようとしない人の特徴は

「会社や上司の要求に応えられない自分が悪いからだ」

「上司は何の取柄もない自分を鍛えようとしてくれているんだ」

など、すべて「自分が悪いから・・・」と考えてしまう、まじめでストイックな人が多いように思います。

そのような会社にそもそも入らなければ良いのですが、ブラック企業の数が多い現代では、避けたくても避けるのが難しい状況と言えます。

この記事では、そもそもなぜ企業はブラック化するのか?また、ブラック企業はどれくらいの割合で存在し、その数は増えているのか?減っているのか?という情報をまとめてみました。

目次

なぜ企業はブラック化するのか?

ブラック企業は昔から存在し、完全に無くなることはなく、むしろ平成以降は増えてきていると思います。そんな中、なぜブラック化する企業は無くならないのでしょうか?一般的に、以下の要因が指摘されています。

1)経済状況の悪化
日本の長期不況やグローバル競争の激化により、企業は業績改善やコスト削減のために労働者の働き方や待遇を改善せず、長時間労働や低賃金の労働を求めるようになった。

2)労働法制度の問題
日本の労働法制度は、労働時間や休暇、解雇規定などが緩やかであり、労働者を保護する機能が不十分であると指摘されています。これにより、企業は法的な制約を受けずに労働者を過重労働や低賃金で働かせることができるようになった。

3)人材不足の問題
一方で、日本では一部の業界や地域で人材不足が問題となっており、企業は人材確保のために、高い待遇を提示することができない場合があります。このような状況下では、求人情報に“高待遇”と謳いつつ、実際には長時間労働や低賃金で働かせるブラック企業が生まれることになります。

4)社会的風潮の変化
一方で、労働において働くことが全てであるという風潮が強まっており、労働者側も自己犠牲的な働き方を求める傾向があるため、企業側もそれに応える形で過重労働や低賃金での雇用を進める傾向があるとされます。

これらの要因が複合的に作用し、ブラック企業が増えたとされています。しかし、近年では労働法制度の改正や労働環境の改善など、ブラック企業対策が進められているため、解決策が模索されている段階にあるといえます。

ブラック企業の数や割合の実態

日本におけるブラック企業の数や割合の実態については、厚生労働省や労働団体などからの調査結果が発表されています

一例として、厚生労働省が実施した調査によると、2019年における違法な長時間労働をしている企業の割合は全体の28.3%であったと報告されています。また、過重労働による自殺・疾病を防ぐために何らかの措置を講じている企業の割合は全体の58.4%であったと報告されています。

2021年の調査によると違法な長時間労働をしている企業の割合は、全体の27.4%であると報告されており、前回の調査(2019年)と比較すると、若干減少している傾向にあります。

また、厚生労働省が実施した労働問題に関する全国調査によれば、ブラック企業で働いた経験があると回答した労働者の割合は、2016年の28.9%から2020年には21.2%に減少しています。また、同調査においては、長時間労働や未払い残業代などの違法行為を行っている企業の割合も、2013年の12.4%から2020年には6.6%に減少していることが報告されています。

これは、2019年4月1日に施行された働き方改革関連法によって、違反企業に対する罰則が強化されたことなどの効果によるものだと考えられます。

現在は、国を挙げた取り組みとして、労働者の権利を守るための法改正や、労働基準監督署による長時間労働是正の指導や監視など、ブラック企業の矯正、排除に向けた動きが進んでおり、今後も改善が期待されています。

このようにブラック企業は減少傾向にあるものの、まだまだその数は多いという実態があります。自分が勤めている会社がブラックなのかもしれない、と感じたら、以下の記事も参考に、まずはブラックなのかどうかを見定めてみるから始めてみてはいかがでしょう?

そして、もしブラック企業で働いているとご自身が感じたら、なるべく早く転職することを考えてください。

世の中はあなたが思っている以上に優しく思いやりに溢れています

あなたに成長意欲があり、仕事に対して真摯に取り組む気持ちさえあれば、雇ってくれる会社は必ず他にもあります。

自分を責めすぎず、勇気をもって今の状況から踏み出してみてはいかがでしょうか?

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