エレベーターピッチとは、相手に自己やビジネスについて短時間で魅力的に説明するための手法です。
かつてシリコンバレーの起業家たちが、時間の無い投資家や正面からでは会ってもらえない投資家から投資を受けるために、足を止めるエレベーターの中を狙って、自分たちの事業説明を行うという突撃型の提案スタイルが、いつしかエレベーターピッチと呼ばれるようになりました。
通常、エレベーターピッチは30秒から2分程度の時間枠内で行われます。
エレベーターピッチの目的は、相手に自分自身やビジネスについて興味を持ってもらい、さらなる関心や対話の機会を作り出すことです。重要なポイントやメッセージを短く明快に伝えることが求められます。
この記事では、エレベーターピッチとはどんなものか、基本構造や具体的な手法、準備するべきことなどについて解説していきます。
エレベーターピッチの基本構造
１）目的の明確化
エレベーターピッチを作成するにあたっては、まず自分の目的を明確にしましょう。自己PRの目的は、相手に自分の価値や強みを伝え、関心を引くことです。具体的な目的を定めることで、ピッチの内容やアプローチを的確に構築することができます。
２）要素の組み立て
エレベーターピッチは、以下の要素で構成されることが一般的です:
エレベーターピッチの作成手順
１）要点の絞り込み
エレベーターピッチでは、短い時間内に相手に興味を持ってもらうために、要点を絞り込むことが重要です。自分の強みやビジネスの特徴を整理し、最も魅力的なポイントを選びましょう。
相手が最も興味を持ちそうな要素を抽出し、ピッチに取り入れることで効果的なPRを行うことができます。
２）具体的な例やストーリーの活用
エレベーターピッチには、具体的な例やストーリーを盛り込むことで、相手にイメージを伝えやすくなるメリットがあります。自身の経験や実績を具体的に説明し、相手が共感しやすいストーリーを作りましょう。
具体的な事例や成功体験を交えることで、ピッチの説得力が増します。
３）シンプルで明快な表現
エレベーターピッチは短時間で相手に伝えるため、シンプルで明快な表現を心がけましょう。専門的な用語や専門知識に頼らず、わかりやすい言葉で説明しましょう。
相手がピッチ内容をすぐに理解できるように、冗長な表現を避けることも重要です。
エレベーターピッチの実践と改善
１）練習とフィードバックの受け入れ
エレベーターピッチを効果的に行うためには、練習とフィードバックの重要性を認識しましょう。ピッチを繰り返し練習し、滑舌やテンポ、表現力などを改善することが必要です。
また、信頼できる人にピッチを聞いてもらい、フィードバックを受け入れることでさらなる改善が可能です。
２）状況に合わせたカスタマイズ
エレベーターピッチは状況に応じてカスタマイズすることが重要です。相手のバックグラウンドや関心事を考慮し、ピッチの内容や強調するポイントを調整しましょう。
異なる状況に対応するために、いくつかのバージョンのピッチを準備しておくこともおすすめです。
まとめ
エレベーターピッチをやらなければならないシーンは、仕事をしている中ではほぼ無いと思います。しかし、自己PRや伝えたい要点を短時間で効果的に行うためのひとつの手法としては、とても参考になる手法や考え方だと思います。
また、エレベーターピッチという限られたかなり短い時間の中で、こちらの提案に関心を持ってもらい、次のステップに進むチャンスを勝ち取るという流れは、営業職に限らずどんな仕事でも役に立つ考え方だと思います。
例えば店頭接客では、10～30秒でお客様のニーズや購買意欲の程度を探る必要があります。それは五感を研ぎ澄ませないと中々できないことでもありますし、「次に何を話そう」といったシュミレーションを事前に考えておかないと中々うまくいかないでしょう。限られた時間の中で、自分を理解してもらい関心を持ってもらうという点では、転職面接もまさにエレベーターピッチのようなもの、と言うのは言いすぎでしょうか。
しかし、このようにエレベーターピッチの基本構造を理解しておくことは、転職のシーンはもちろん、普段の仕事の中でも役に立つことと思います。
転職活動のときはもちろん、普段の仕事の中でも、この記事でまとめている考え方や手法を意識してみてはいかがでしょうか。
