日本型企業と外資系企業は企業文化が違うとよく言われます。
企業ごとにグラデーションはありますが、例えばヒエラルキーの度合い、意思決定のスピード、労働時間とワーク・ライフ・バランス、コミュニケーションのスタイル、グローバルな視点と多文化環境、パフォーマンス評価と報酬制度、インターナショナルなビジネス環境、リスクテイクとイノベーション、コミットメントと忠誠心など、さまざまな要素で違いがあるケースが多いと思います。
こういった企業文化の違いにより、日本型企業から外資系企業に転職した人は時として、仕事の進め方の違いや、日々の会社での立ち居振る舞いなど、様々なシーンで戸惑う人もいるのではないでしょうか？
この記事では、「日本型企業と外資系企業のよくある企業文化の違い」に焦点を当て、その内容とそれぞれの違いに対処するための具体的なヒントをまとめてみました。
今後外資系企業に転職しようと考えている人にとって、この記事が参考になれば幸いです。
「ヒエラルキーの度合い」の違い
日本型企業では上下関係や役職の序列が重視され、厳格な階層が存在するケースが多いように思います。これは組織がしっかり作られているという意味では良いことなのですが、一方で組織がしっかりしすぎていることで、硬直化しやすくもなります。
外資系企業では日本型企業と同じような組織構造になっていたとしても、文化的にフラットな組織が多く、上司部下の垣根を超えた意見やアイデアの自由な交換を求められるケースが多いのではないでしょうか。
「意思決定のスピード」の違い
日本型企業では意思決定には時間がかかることが多く、組織内での合意形成が重要視されます。
これは、会社としての取組に全員でコミットして仕事を進めていくという点では重要な流れなのですが、一方で意思決定までの時間が長くなると「ビジネスの旬」を逃してしまう恐れがあるなど、悪い面もあります。
外資系企業ではポジションごとの責任分解点が明確になっているケースが多く、そのため意思決定が迅速で、スピーディーな行動が求められることがあります。
「労働時間とワーク・ライフ・バランス」の違い
日本型企業では未だに長時間労働が当たり前になってしまっている会社が多いように思います。こういった会社が多いことで、日本の労働環境では昨今、ワーク・ライフ・バランスが課題とされています。
一方、外資系企業では柔軟な働き方やワーク・ライフ・バランスの重視がもともと進んでおり、労働時間の合理化やフレキシブルな働き方が推奨されています。逆に言うと、長時間労働をしていると評価されにくいということでもあります。
「コミュニケーションスタイル」の違い
日本型企業は、上司と部下の間での「指示命令型」のコミュニケーションが多いように思います。企業側がオープンな社風を謳っている場合でも、まだまだある意味軍隊型の組織構造や上下関係になっているケースが多いのではないでしょうか。
一方、外資系企業では日本型企業と同じような組織構造だったとしても、上司部下や同僚の間でのより積極的なコミュニケーションが求められる企業が多いです。
「グローバルな視点と多文化環境」の違い
一口に外資系企業といっても、例えば「アメリカ資本の会社」と「イギリス資本の会社」では社風が違うケースがあるなど、細かく見ていくと色々な違いがあるのは事実です。
しかし、そもそもの観点として、外資系企業は多様な文化やバックグラウンドを持つ人々との仕事が一般的です。従って、日々の業務においても日本企業に比べて、よりグローバルな視点が求められることがあります。
「パフォーマンス評価と報酬体系」の違い
日本企業では年功序列や終身雇用がまだまだ一般的であり、そのため昇進や報酬は年数や役職に基づくことが多いのではないでしょうか。
一方、外資系企業ではパフォーマンスに基づく評価や報酬体系が一般的で、成果や能力に応じて評価されます。
「インターナショナルなビジネス環境」の違い
外資系企業は国際的なビジネス環境に慣れ親しんでおり、異文化コミュニケーションやグローバルなビジネス戦略が一般的です。
一方、日本企業は国内市場に主に焦点を当てたビジネスが多く、国内のビジネス文化に特化しています。
「リスクテイクとイノベーション」の違い
外資系企業はイノベーションやリスクテイクに対する許容度が日本型企業より高いイメージがあり、言い換えればチャレンジングな取り組みに積極的な企業が多いようなイメージがあります。
一方、日本型企業では安定性や確実性を重視し、変革や新しいアイデアへの挑戦が難しい場合があります。
「コミットメントと忠誠心」の違い
「強い組織作り」は外資系企業でも日本型企業でも変わらず、会社の発展に向けた大切なミッションです。
しかしそのアプローチが、忠誠心や会社へのコミットメントを重要視する日本型企業と、個人の成長やキャリアの発展を重視する外資系企業との間では異なるケースが多いように思います。
これは、どちらが正解ということは無く、どちらも会社が目指すゴールは同じなので、あなた自身がどちらのほうが働きやすいか？と捉えれば良いでしょう。
以下では、外資系企業で働く場合の考え方や対処法をまとめました。
まとめ
上記のように、日本型企業と外資系企業の企業文化にはさまざまな違いが存在します。ヒエラルキーの度合い、意思決定のスピード、労働時間とワーク・ライフ・バランス、コミュニケーションのスタイル、グローバルな視点と多文化環境、パフォーマンス評価と報酬制度、インターナショナルなビジネス環境、リスクテイクとイノベーション、コミットメントと忠誠心、ビジネスの透明性など、それぞれに異なる特徴があります。
もし今後あなたが外資系企業で働く可能性があるなら、そして日本型企業との違いに対処するためには、柔軟性を持ち、自己成長に努めることが重要です。
また、自身のアイデアや意見を積極的に表現し、コミュニケーションを通じて他者との関係を構築しましょう。さらに、異文化コミュニケーションや国際的な視野を身につけるための努力を惜しまず、自身のキャリアの成長や目標達成に向けて取り組んでください。
日本型の企業も、今後外資系企業のような取り組みや考え方の会社が増えてくる可能性があります。それは、人材の流動化が10年前と比べて格段に進んでいることからも、より可能性が高くなっていると筆者は考えています。それにともなって、仕事のグローバル化もどんどん進むでしょう。
いまは、こういった企業文化の違いが、「日本型起業か外資系企業か」で分かれているかもしれませんが、今後は日本企業であっても、会社ごとにこういった違いが生まれてくるかもしれません。
そういった未来を想像すると、いずれにせよ、自身の意識と努力が不可欠です。積極的な姿勢でその会社が持つ文化や環境に取り組み、異なる価値観や文化を尊重しながら、自身の力を最大限に発揮できるよう考えて行動しましょう。
