【Case 7】「会社の中の居場所は自分で作らないとね」と、遅ればせながら気づいた話。

AHさん/28歳/男性/転職1回

学生の頃からホームページを作るなどしていた経験を活かして、就活ではエンジニア志望でたくさんの会社を受けました。そして、自社でもWEBサービスを展開するシステム開発会社に、運よくエンジニアとして採用して頂きました。

入社後の2年間は、希望していた自社のシステム開発部で順調に仕事をこなしていましたが、2年目を過ぎたころから会社の業績が下降。退職者も出始め、個人の仕事量が徐々に増えていきました。その後は、自社内での開発から業務受託をしているクライアント先を転々とするように。様々なお客様のシステムを触ることは勉強にもなったし、学びも大きかったのですが、開発の一部分しか担当しないので、自身の実績にならない仕事を日々こなす毎日に、だんだん焦りを感じるようになりました。しかし、新卒3年で転職を考えるのはまだ早いと思い、踏みとどまって頑張ろうと当初は思っていました。

一度入った会社はすぐに辞めないほうがいい、と考えたのは親の影響が大きかったと思います。私の父親は新卒からずっと同じ会社一筋で頑張ってきた人で、今も同じ会社で働いています。父は決して転職に否定的ではなかったのですが、父の会社の同僚が転職で苦労した話などを父から聞かされたことはあり、私が「転職する」と言ったら心配するだろうなとは思っていました。

おそらくそういった考えが心の片隅にあったこともあり、何とかこの会社で頑張ろうと思っていた頃、尊敬している会社の先輩が退社することに。ちょうど同じ時期に同期も転職するという話を聞き、「このままで良いのだろうか」と更に焦る気持ちが募っていきました。

そんなある日、退社した尊敬するあの先輩から連絡が。久しぶりにお会いしたところ、転職先でエンジニアを探していると。そして、うちに来ないか?とのお誘いが。その会社では、その会社独自のWEBサービスをやっており、その開発を任せられるスタッフを募集しているとのこと。自分がやりたいと思っていた自社サービスの全体的な開発の仕事ができるのなら、やってみたいという気持ちになりました。入社3年程度で転職することに不安はありましたが、知っている先輩もいるということで、お話を頂いてから半年で、その会社に無事転職を果たしました。

転職先の会社は、もともといた会社より創業から日が浅く、小規模でした。また、入社と退社が結構頻繁にあって人員が安定していない印象でした。そんな中、入社後あっという間に仕事量が増え、残業続きに。でも、自分がシステムの中心部分の開発を担当しているという、前職ではできなかった仕事への喜びと、責任感を感じていました。また、開発チームのリーダーとして転職の声をかけてくれた先輩がいたこともあって、安心して仕事に没頭していました。

転職してから2年ほどが経ち、私は開発のサブリーダーになっていました。仕事量は更に増え、以前より忙しい日々を過ごしていたある日のこと。リーダーを務めている先輩が退社することに。理由は、自社サービスの開発方針を巡って上層部と対立してしまったことでした。私がその先輩に声をかけられた後輩ということは、社内ではもちろん皆が知っている事実だったので、同じように私も反対意見を持っているのではないかと、開発部の部長と面談に。私は会社を辞めたくなかったので、反対意見はない旨説明しましたが、開発リーダーは他の部署から来た人が着任しました。

先輩がいなくなった社内は、私にとっては居心地が悪くなってしまいました。仕事内容も、本当は意に沿わない開発をや続けることになり、身が入らなくなってしまいました。他のメンバーとは上手くやっているつもりですが、本当は私のことをどう見ているのか・・・。

一方で、先輩がいなくなったことで自分がいかに今まで甘い仕事をしていたのか、という事に気付くことができました。自分で思っていたよりも、先輩に頼ってしまっていたのですね。身近な大きな存在は、必ずしもずっと近くにいるわけではない。環境は変わっていくもの。また、そういった外的環境で仕事のクオリティが変わってしまっては、社会人として失格なんじゃないかと思います。だから、自分はもっと強い気持ちを持って、自立していかなければと強く思います。


自分の未熟さに改めて気づかされた今回の一件を、成長の糧にしたいと思います。

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