【Case 6】30代後半塾講師。はじめての転職物語。

SYさん/41歳/男性/転職1回

大学在学中に学習塾の講師のアルバイトを始め、卒業後その塾に就職。子供たちと向き合う仕事はやりがいもあり、充実した毎日を過ごしていました。私は数学や算数を教えていたのですが、答えを導く過程での考え方を教えていく中で、問題が解けたときの子供たちの嬉しそうな顔を見るのが好きでした。

しかし、折からの少子化で生徒の数が年々徐々に減っていき、塾の経営も少し苦戦するように。またその当時、結婚を考えている長く付き合っている彼女がいて、将来的な収入面や彼女との生活のリズムのずれをどうにかしなくてはと考えていました。彼女から転職を促されたことは無いのですが、私と彼女の2人の将来のために、遅まきながら転職を決意しました。38歳の頃のことです。

当初は、塾講師だった仲間たちが異業種への転職に苦戦していたのを知っていたので、ただただ不安しかありませんでした。でも、そんなこと言ってられません。なんとかしなくてはと思い、初めてスーツを着て転職活動を開始しました。そこからは生まれて初めての経験ばかり。転職サイトで仕事を探すこと、転職エージェントに登録すること、履歴書を書き職務経歴書をまとめ・・・。とにかく未経験なことばかりで、毎日ネットで調べまくって転職活動を続けました。

自分にはもうひとつ不安がありました。30代後半にもなって、自分は子供たちとの触れ合いしかなかったことです。つまり、大人とのコミュニケーションが足りないということ。また、他の職種の業務内容がわかならい。例えば「営業」という仕事では何をやっているのか全く分からなかったんです。逆に企業側の人たちも、塾講師しかやってこなかった人間のことなんか分からないのではないか・・・。面接に進むことができても、何を話したら良いかわからない・・・。転職を果たした昔の塾講師の仲間や、彼女にもたくさん相談に乗ってもらいました。

会ってくれる会社があれば、どこでも行きました。面接まで漕ぎつけるのも一苦労でしたが、その中でだんだん面接の流れもわかるようになり、自分のことも多少上手く話せるようになってきたと思います。そして、最終的に食品メーカーの営業として採用してもらうことができました。彼女も彼女のご両親も大変喜んでくれました。

入社してからは、さらに戸惑うことばかり。とにかく社会人経験が足りないからだと思うのですが、お客様先への訪問、営業、社内会議、資料作成と、知らないことだらけで毎日頭も体もヘトヘトでした。しかも、最初の上司は私より年が下だったので、さぞやりにくかっただろうと思います。上司にも同僚たちにも色々と迷惑をかけました。しかし日々勉強するしかありませんので、毎日とにかく自分なりに頑張りました。

今入社から2年ほど経ち、先日無事に入籍も果たしました。仕事にも少し慣れてきました。

転職を決意してから3年ほど経ちましたが、今思っていることは、自分が目標をしっかり立てて動起きだせば、助けてくれる人は必ずいるということ。そして、人に素直に質問したり、話を聞いたりすることの大切さを、この年になって改めて理解できたと思います。年齢的に30代後半という一般的には遅い「はじめての転職」でしたが、必死動き回って目標を達成したことで、今は「転職に遅すぎるということは無い」と思っています。

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