【Case 3】転職しようと思っていろいろ学んだ結果、今の会社がむしろ好きになった話。

JYさん/34歳/男性/転職0回

大学のゼミでネットワークについて学んだことがきっかけで、ネットワーク開発に興味を持ちました。就活ではIT製品のメーカーを中心にアタックし、晴れてネットワーク機器の開発も行っているメーカーに入社できました。その会社では製品開発の部署に配属され、知識も経験もない中、チームリーダーや同僚たちに助けられながら忙しい毎日を過ごしていました。

そんな中、経営者が代わり、会社の方針は営業が最優先の流れに。開発部からもどんどん営業部に配置転換が行われ、開発部は人員不足に。さらに忙しい状況になりました。また、業務範囲外と思われる仕事もどんどん増えていき、あの頃は精神的にも体力的にもかなりキツイ日々でした。ギリギリの状況で過ごす毎日の中で、仕事のミスも増えてしまい、これ以上は無理だとある日自分の気持ちのコップの水があふれてしまい、ついに転職を決意しました。

もともとは「魅力ある製品を開発して競合に勝つ」という開発方針だったのですが、利益最優先に方針転換してからは、自社製品に拘らず他社製品も使ったSIer業務も増えていきました。開発に注力しなくなった会社の先行きに疑問を持ったことも、転職を決意したひとつの要因です。

しかし、開発だけしかやってこなかった自分を採用してくれる会社があるのかどうか、自信を持てない自分もいました。だから、いきなり辞めるのではなく、時間がかかっても良いという心づもりで転職活動を始めました。

当初はスカウトサービスに登録したり、休日に転職サイトをサーフィンしたりということしかやっていませんでしたが、面接のチャンスをもらってから、履歴書や職務経歴書を慌てて作りました。その後、何社かの方とお話しさせていただく機会を持ちましたが、その中でだんだんわかってきたのは、エンジニアに求められているもの。

製品はサービスと結びついて初めて商品になることはわかっていましたが、私はハードの開発ばかりやっていたため、サービスのことをあまり理解していませんでした。また、商品を売るためにはマーケティングの知識も必要です。そういった様々な要素が相まって、商売になるのだなということを今更ながら理解しました。良い製品だけ作っていればいい、というものではないのですよね。いくら良い製品でも、売る人がいなければ売れませんし、お客様の手元に届いて初めて価値がある。

そこからは、色々な本を読むようになりました。また、社内の営業部の人とも積極的に交流し、色々な学びを得ようと考えました。毎日の仕事は本当に目が回るくらい忙しかったのですが、今までなら業務範囲外と感じていたような仕事でも、面白いなと思えるようなことも出てきました。

結局私は今も、会社に在籍しています。新卒で入社して約10年。会社に愛着もあるし、同僚や先輩後輩、尊敬できる上司もいる今の会社は簡単には辞められませんでした。それに、転職しようと考えたことで見えたことが色々ありました。そして、今の会社にも良いところがいっぱいあるんだなという事がむしろ見えてきたのです。いつか転職したいという気持ちは変わりませんが、「いますぐ」じゃなくても良いかなと感じています。 その時は、自分がもっと成長できるステージに行かなければならないと思ったときかなと思っています。

転職しようと思わなければ、今の自分はなかったと思います。もう少し今の会社で頑張ってみようかと思っています。

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