【Case 23】「自分を大切にすることが、幸せな人生の第一歩」ということに遅ればせながら気付いた、とある20代男性のお話。

KTさん27歳/男性/転職1回

あの頃私は新卒で、とある企業に入社したばかりでした。周りの先輩たちは全員優秀そうで、私も彼らに負けないように夜遅くまで働き、自分に厳しく励んでいました。

私が入社した会社は残業が当たり前で、朝早くに出社しても帰りは毎日終電近い時間帯でした。それでも、初めての社会生活で、仕事をするってことはこういうものだと思っていました。

初めての給料日になった時、私はうれしくて会社に向かったのですが、その日は上司から「まだ給料は出ない。もう少し待っていろ」と言われ、がっかりしました。それからも、たびたび給料の支払いが遅れました。私は生活が苦しくなり、仕方なく貯金を切り崩して生活していました。

「給料が遅れるなんておかしいな・・・。」

そう思いましたが、毎日の仕事が忙しすぎたことと、給料も遅れはするものの支払われていたので、仕事を続けていました。

そんな中、私は同期の中で唯一、異動が決まりました。新しい配属先は営業部。会社の中でも優秀な人が集まっているとされていた部署でした。とても嬉しかったのですが、実はその異動が私にとっては大きな誤算だったのです。

新しい部署に配属された私は、上司から執拗にパワハラを受け、連日罵声を浴びせられました。助けてくれる先輩もいませんでした。私はそれは自分に能力が無いからだと自分を責め、自信を失ってしまいました。そして毎日気持ちを奮い立たせて会社に行くのですが、それでも連日仕事が遅いと言われ、ミスをすると怒鳴られました。本当に毎日が地獄でした。それでも、私は耐え忍び会社に残り続けたのです。とにかく、頑張ってやり遂げたかったからです。

ある日を境に、給料が全く入らなくなりました。上司に聞いても「給料はまだ払えない。辞めるならすぐに言え」と言ったのです。今まで何度も給料が遅れていたし、いよいよ貯金も底をつき生活も厳しくなっていた私は、突然投げやりな気持ちになり、その場で「辞めます」と言ってしまいました。新卒で入社してから5年が経っていました。

辞めてから、しばらく実家に戻りました。そして、私は次の職場を探し始めました。しかし、面接で「なぜ辞めたのか」と聞かれると、私はどう答えたら良いか分かりませんでした。

5回目の面接でようやく私は再就職ができました。

最初は、前の会社での経験がトラウマとなり、新しい職場でも怖がりながら働いていました。しかし、上司や同僚からの優しい言葉や、先輩、同僚たちの支援に触れるうちに、私は自信を取り戻し、仕事に取り組むことができるようになりました。再就職した会社は上司も同僚も優しく、尊敬できる人たちばかりでした。また私は初めて、仕事とプライベートを両立することができる環境に出会えました。そして、前に勤めていた会社がおかしかったんだという事に改めて気づきました。

「もっと早く前の会社を辞めておけば良かった。」

今まで、私は自分に能力が無いと思い込まされていたのです。しかし、実際には、私が遅かったわけではなく、上司からのパワハラや罵声によって、自分に自信が持てなくなっていただけだったのだと今では思います。

私は今日も新しい会社でみんなの期待に応えるために仕事に取り組んでいます。自分にとって何が重要で、どのように生きていきたいか、それを考えることが大切だと学んだ私は、今まで以上に自分自身を大切にしながら、日々を過ごしています。

今回のような経験は、私にとっては一生忘れられないものとなりました。私は、今後も自分自身を成長させ、自分に合った働き方を見つけながら、充実した人生を送りたいと思っています。

そして、この経験を通じて、私は自分自身の人生についても深く考えるようになりました。自分が何をしたいか、どのような生き方をしたいかを明確にすることが、人生を豊かにするための第一歩だと思うようになりました。そして、自分自身を大切にすることが、幸せな人生を送るための第一歩になると痛感しています。

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