【Case 8】転職で給与アップ!と喜んでいたのも束の間。仕事も大変になってしまったという話。

YKさん/33歳/男性/転職1回

大学院を卒業して社会人になったのは、25歳でした。就活は苦労しましたが、最終的に中堅の映像機器メーカーに就職することができました。

配属は開発部。私がいた会社は営業部が強く、営業の依頼を受けて商品を提案したり、開発していくというスタイルでした。しかし、その依頼がいつも急で、それこそ「明日までに提案書を作ってくれ」と依頼が来たりすることもあり、開発部は毎日残業続きでとにかく忙しい毎日を過ごしていました。そんな忙しい状況でしたが、学生時代からお付き合いしていた彼女と入社3年目で結婚。その1年後には子供を授かりました。

私生活は順風満帆。仕事は忙しいですが、充実した毎日・・・ではあったのですが、子供が産まれたことで元々働いていた彼女は産休に。その後は子育てに専念したいということで、いずれ専業主婦になる方向。その頃から私の心配事は「お金」になりました。

給料がこの先上がっていけば、そんな心配もないのかもしれませんが、おりからの不況で昇給は期待できない状況。さてどうしたものかと・・・。副業も考えたのですが、平日は仕事で相変わらず残業続きだし、子供が産まれてからは家事の手伝いもしなければならず、自分の時間を確保することすら難しい。こうなると転職しかないかと決意したのは、入社5年目の頃でした。

その後、すぐに転職活動を開始したところヘッドハンティングの連絡を受け、給与アップの転職に成功しました。

自分のキャリアでは、転職の条件として提示していた給料で転職できるとは正直思っていませんでしたが、転職先はセールスエンジニア、つまり開発経験がある営業マンを探しており、給与が上がるなら営業にもチャレンジしてみようと転職を決めました。営業の経験は、営業部の人と一緒にクライアントに行くこともあったので流れはわかっていましたが、実戦経験が足りていないことに不安はありました。しかし、新しい会社での年棒は元々いた会社よりもだいぶ上。それだけ自分を高く評価してくれているということだし、そもそも人生何事もチャレンジだと思い、張り切って飛び込んでいきました。

転職してからは怒涛のような毎日が始まりました。元々いた会社では、営業部と開発部が完全に分かれていて、提案書は開発部が作る流れだったのですが、新しい会社では営業部のセールスエンジニアがお客様の要望をまとめ、その後決まった案件を開発部に依頼するという流れでした。確かにこのほうが仕事的にもお客様にとっても効率的です。

転職したばかりの私は、「早く実績を出したい」「会社の期待に応えたい」という気持ちが強く、お客様の要望を自分の経験と知識だけでまとめ、注文を取ってくるという流れでドンドン仕事を進めていきました。しかし、いざ開発部に案件を依頼すると「うちではこれは出来ない」という事が多発。私もちょっと先走った動きは確かにあったと思いますが、会社の売上になる案件に非協力的な開発部との衝突は増えていきました。

そんなある日、上司から思いもかけない言葉をかけられます。「YKくんは給料高いんだから、もっと頑張ってもらわないと!」。

そこでハタと気づきました。もしかしたら私の給料は、同僚より高いのではないか?そうでなければ上司からそんな事言われるはずがない。同じ部署の人には給料の話は聞きづらかったので、ほかの部署の何人かに、年齢や職種にごとの平均的な給料をリサーチしてみました。案の定、私の給与は同年齢の水準より高いものでした。しかも、どういうわけか、その金額を周囲の社員は知っているらしいのです。

元々その会社ではセールスエンジニアという職種は無く、開発経験者で営業もできそうな人材をスカウトしていたということは知っていたのですが、元々いた人よりも高い金額を提示しているなんていうことまでは、私も知りませんでした。

そうなると、周囲の私の仕事に対する見る目が厳しいこともわかりますし、開発部も「それだけ給料もらってんのに、こんな仕事の進め方かよ」という気持ちにもしかしたらなっているのかもしれない。言葉を選ばずに言えばそれは、「ヒガミじゃないの?」という気持ちにも最初はなりました。それに、なんで自分の給与金額を周囲が知っているのかということも、会社や上司に対して不信感を持ちました。仕事は相変わらず社内調整のストレスが多く、正直こんなことなら「給料下げてくれ」という思いもありましたが、それも恐らく会社的には通らないでしょう。

給料はその会社で働く人の、職種や年齢ごとに目安となる金額があり、それを上回っているということは、それだけ期待も大きいということ。また、給料が高いという事を周囲が知ってしまったら、人によっては意地悪な気持ちになるでしょうし、高い金額をもらっている人の仕事をみんなが注目しているのも仕方がない。転職後、成果を出すことに焦ってしまい、少々強引に仕事を進めてしまっていたことも、周囲の不信感を増長させることになってしまっていたのかもしれません。

給料は高いほうが良いに決まっていますが、その会社の身の丈にあった「金額」というものがあります。それを上回ってもらうということは、金額の何倍ものストレスや、成果へのコミットを求められることなんだな、と遅ればせながら気づきました。

転職で「お金」は大切な要素だと思います。しかし、実際の仕事は、周囲の協力がなければ成果が出ないものです。だから、もらっている給料分の成果を出すためには、やはり周囲の協力なくしては叶いません。

「もっと調べておけば良かった」。今さら後悔しても遅いのですが、給料もらい過ぎも困るんだなと思い知りました。このままこの会社にいて良いものかどうか、いまは毎日悩んでいます。

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